2012-04-26

サイザルバッグが生まれる場所

皆さま、こんにちは。朝子です。

今朝もはげしい雨が降ったりやんだり。
春の天気はほんとうに落ち着かないですね。
とはいえ気温も上がってきて、きもちは初夏に近づいてきました。

毎年この時期は、ケニアから、特産のサイザル麻のかごバッグが
日本にとどく季節でもあります。

ことしは現地の写真も一緒に届きましたので、
さっそくご紹介したいと思います!

 道沿いにたくさん植えられているのが
原料となるリュウゼツラン。
生命力が強く、現地では貴重な天然資源として活用されています。


リュウゼツランの葉から繊維をとり出し、
しっかりと撚ると、丈夫な「サイザル麻」になります。


サイザル麻の束を大きなお鍋にいれて、染色していきます。

 何の機械も使わず、青空の下での手作業です。


鮮やかに染め上がりました!

 ケニアでは、かごの編み手は女性。
特に東部のカンバ族の女性たちの間に、
卓越した技術が伝えられています。

女性たちは、こうして家事の合間を見つけては集まって、
話をしながら、技を競い合いながら、編み続けています。


サイザルバッグ作りは、ケニアの女性たちにとっては、
誇りをかけた伝統の手仕事であり、数すくない現金収入の手段でもあります。

一つのバッグを仕上げるのに、編むだけでも一週間。

素材の加工まで含めたら、気の遠くなるような手間ひまをかけて、
生まれてくる製品です。

そこに編み込まれているのは、機械化されたとたんに失われてしまうような、
目に見えない暮らしの文化や、自然のリズムなのかもしれません。


■ケニア サイザルバッグ


2012-04-20

ゴールデンウィークはgranoへ!


続きまして、イベントのお知らせです!

ゴールデンウィーク期間中、埼玉周辺にお住まいの方や帰省されて、
のんびり過ごされる方は、ぜひこちらへお立ち寄りください。


<越谷 イオン レイクタウン「grano」 -かごのある暮らし展->

Date: 4月28日(土) - 5月6日(日)夕方
Place: こだわり素材のアンテナショップ grano (グラーノ)
(埼玉県 越谷市 イオン レイクタウン内  map




granoは、大きなショッピングモールの中にある、広々としたお店。
からだにやさしい食材のはかり売りに、ナチュラル雑貨も揃っていて、
のんびりとお買い物が楽しめる、気持ちの良い空間です。

今回のテーマは、「普段使いの台所道具」。

毎日のキッチンを彩ってくれるカゴやザル、木工品などの道具を
品揃えしてお伺いする予定です!


初日4/28(土)は、当店スタッフが店頭におりますので、
お気軽に声をお掛けくださいね。



ご来店をお待ちしております!

朝子

おらが復興食堂

みなさま、こんにちは、朝子です。

ゴールデンウィークのご予定は決まりましたか?

今年は、ゆっくりと北上している桜前線を追いかけて東北に、
というのもよいかもしれませんね。

特に震災の被災地にとっては、そこに足を運ぶことだけでも、一つの支援に
つながると思います。

もし、岩手の沿岸部を訪れる予定の方がいらっしゃったら、
おすすめのお店があります!

大槌町にある、「おらが大槌復興食堂」です。
http://oragaotsuchi.web.fc2.com/

大槌も、津波の被害がとりわけ大きかった地域の一つ。

私たちが訪れたのは、震災から1年が過ぎた今年3月でしたが
一帯にはまだまだ、信じられないような破壊的な景色が広がっていました。

そんな中に、大きなテントがひとつ。
たくさんの人が出入りして、その周りだけが明るく活気に満ちています。
それがこの復興食堂だったのです。



どんな感じかしら、と入ってみたのは、ちょうどお昼どき。
ボランティア活動の方たちも大勢来ていて、広い店内は満席でした。

とにかく、その味とボリュームに大満足です!
「おらが丼」に「がっつら丼」、、、なんと夜は居酒屋に早変わりするそうです。
たのしそう!

「おらが丼」。海の幸たっぷりです!

おいしい食べ物と、自分たちの手で町を取り戻すんだ、というスタッフの皆さんの熱い気持ちが、
やってきた人に次々とエネルギーを注入しているかのようでした。

もしこのあたりに行かれることがあれば、ぜひ寄ってみてください!


「三陸に仕事を!プロジェクト」 漁具の網を使用した手仕事のアクセサリー
「浜のミサンガ 環」も販売されていましたよ。

朝子


2012-04-13

かご小話: あけび職人に聞く

今回の東北の旅では、かごの達人たちにお会いして、いろいろな
お話を伺うことができました。

そこで今日は、秋田県であけび職人として活躍されている方から
かご作りについてお聞きしたことをご紹介したいと思います。

***

山であけび蔓を採るのに最適の時期は、晩秋です。
脇芽の出ていないもの、地面を這ってまっすぐに伸びたものを選びます。
木に絡んで上に伸びたものより、色むらやねじれがなく質がよいのです。

また、陽に当たっている蔓は色が黒くなるため、できるだけ薄暗い場所で探します。

採ってきたあけびの蔓は、5日から1週間ほど天日干しをした後、
風通しのよい日影にうつして数ヵ月間、完全に乾くまで自然乾燥させます。

編む前に、しばらく水につけて柔らかくします。
一度に編める分だけを
水につけて準備しておきます

太い蔓・長い蔓は大きなかごに、細いもの・短いものは小さなかごに。
色目も明るい部分、暗めの部分と分けて使うため、例えば手提げかごを
作る場合、蔓全体のうち、使える部分は2、3割にすぎないそうです。

あえて色ムラを生かして編んだかご
これもまた、味があります。

あけびが採れる場所は、年々減ってきているそうです。

そして、山に入る人が減ったことで山が荒れて藪のようになり、その中で
十数メートルにも及ぶ長い蔓を採る作業自体も、どんどん大変に
なってきている、ということでした。

自然と人とのつながりが薄まっている現状が、こういう形で
あらわれているのかもしれません。

昔は、炭焼きをする人や、堆肥づくりに使う草を採りにくる農家の人など、
山で仕事をする人も多く、山道が開けて歩きやすかったのです。


とはいえ、よい材料を揃えることは、よいかごを作る条件のひとつ。
編む作業そのものよりも、そこまでの下準備により多くの時間を割き
心を砕いておられる様子が伝わってきました。

職人さんの秘密道具(?)が並ぶ棚

ひとつのかごが生まれるまでの長い道のりをあらためて実感した、
今回の訪問となりました。

朝子

2012-04-04

東北かご紀行 その2 ―宮古で竹取―

今日は、岩手県の宮古で、竹の伐り出し作業を見せてもらったときのことを
書きたいと思います。

師匠は、「横田かご」の作り手のおじいちゃん。

いつも伐り出しをしている3、4ヶ所の中で、
一番足場がよいという、明るい竹藪に連れて行ってもらいました。

そこは竹藪というよりは、小高くなった雑木林。
おじいちゃんは、急な斜面を、慣れた足取りでひょいひょいと登っていきます。

「足元に気ぃつけてな」

さまざまな木や蔓植物が絡み合うあいだに、
真竹がひときわ姿勢よく、青々と伸びています。

雪解け直後で少しぬかるんでいたものの、今の時期が一番歩きやすいそう。

夏はうっそうとして虫も多く、竹自体も油を含んでしまうため、
竹取りは春か秋がベストシーズンなのだそうです。

早速、太くてまっすぐな若い竹を選んで伐り出します。
小さな手鋸で、ギコギコと。


断面をあえて荒くしているのは、腐りやすくして、
より早く自然に戻すための気遣いです。


切った竹は、その場で長さを3丈(ひろ)にそろえて、なたで枝や葉をおとします。
(両手を伸ばした長さが1丈)

師匠はバサッバサッっと、目にもとまらぬ手さばき。
刃の使い方にコツがあって、私たちがやるとこうはいきません。

「刃をもっと水平に」 

伐り出した竹は、斜面を滑らせ、下に落として集めていきます。


いやはや、78歳とは思えない、おじいちゃんの身軽で無駄のない動きには
脱帽です。

本日の作業はここまで。

切った竹がかごになるまでには、拭いて、割って、内肉を削ぎおとして、、、と
いった力仕事が、まだまだ続くのでした。

というわけで今日は、かぐや姫が生まれてきそうな宮古の竹藪より、
竹取物語をお届けしました!

朝子


2012-04-03

東北かご紀行 その1 ―青森 弘前―

皆さん、こんにちは。朝子です。

先週はお休みをいただき、1週間かけて東北のかご産地をめぐってきました。

青森、秋田、岩手をまわって、かごが生まれる現場を訊ね、
職人さんならではのお話もたくさん聞くことができました。
そんな旅の様子を、写真とともに、数回に分けてご報告したいと思います!


最初に向かったのは弘前。
郊外はまだまだ一面の銀世界。泊った日は、一晩で5センチもの積雪でした。
地元の方のお話でも、3月末でここまで多いのは珍しいとのこと。



さっそく、お世話になっているあけび細工の工房を訪ねます。
数人の職人さんが、ストーブを囲みながら鮮やかな手さばきでかごを編んでいました。

これは縁部分に巻くための、「割り蔓」を作っているところ。
あけび蔓でも太めのものは、こうして手で半分に割いて使います。


指先で微妙に手加減をしながら、太さが均一になるように割いていきます。
わたしも挑戦させてもらいましたが、途中で切れてしまいそうで
かなり緊張しました。

材料のあけび蔓は、天井の高い倉庫に、こんな風に吊るされています。


山から採ってきたあと、枝や葉を落として、束にして
数ヵ月から1年以上もかけて、完全に乾燥させる必要があるのです。
編む時には、数日間水につけて、やわらかく戻します。
これを編んでもういちど乾かせば、型崩れのない丈夫なかごが出来あがります。

いまは、山で働く人が減って、山が荒れ、
よい蔓が採れる場所が、年々減っているそうです。
山の恵みをいただくにも、ただ採りっぱなしではだめで、
ちゃんと手をかけてあげないといけないのですね。

外はまだ雪。ストーブの上のやかんがシュシュシュと音を立てる中、
山の恵みは人の暮らしの道具へと、つぎつぎに形をなしていくのでした。


つづく。