2012-09-30

【秋の東北旅 番外編】秋田の中山人形

こんにちは。

ブログの更新がなかなか進まない、東北を巡る旅ですが、
それにもかかわらず、今回は番外編をお届けします。

秋田の「中山人形」はご存知ですか?

僕はさほど詳しくなかったので、これまで知っていたのは
十二支の土鈴や、金太郎から預けられたまさかりを担ぐうさぎ
くらいでした。

 
 
その日は、ちょうどあけび細工の職人さんを訪ねた後だったのですが、
その工房が横手の駅近くにあると知り、立ち寄ってみたところ
すっかりその魅力にはまってしまいました。

その歴史や背景を、中山人形店の5代目、樋渡さんに話を伺いました。

最近では、飾って楽しむ人形となりつつあるそうですが、貧しかった時代には、
こどもの玩具として、とても愛されてきました。
 特に、本物のひな人形がなかなか買えない時代、幼い女の子たちは、
土雛の中山人形をならべて遊んだそうです。

 
店内のケースには、古い中山人形も展示されています。

たくさん手で触って、何度もおとして傷ついたのでしょう。それが、とてもいい
味わいになっていて、魅力がましているように思いました。

個人的には、下の農作業シリーズ?にとても心ひかれたのですが、
残念ながらこの型はもうなくなってしまっているとのこと。


(当時の生活を、そのまま表現した人形が多いのも特色)

そして、型自体が土でつくられていることから、長年にわたって同じものを
作り続ける自体、とても難しいものであるということを知りました。
つくればつくるほど、型がすり減り、すこしずつ大きさをましてくるという話は、
とても興味深かったです。

同じ製品を量産しつづける方法もあると思いますが、手間ひまかけて
作り続けることの価値を再発見したような気がします。

伝統的な中山人形をいくつか購入し、在庫の無いものはいくつか注文をしてきました。
届くのがとてもたのしみです。

 

(題して、「一服」。これも、注文しちゃいました。)

征一郎

2012-09-28

かご小話: アフリカの「コイル巻き」編み


かごの素材には、「強さ」と「長さ」がとても重要です。

日本では、竹や、あけびなどの蔓植物がよく使われますが、
これらはしなやかで丈夫、長さも十分に確保できる、かごの材料に適した
素材といえるでしょう。

天井からズラリと吊りさげられた、あけび蔓

北の国々ではこれらの植物が手に入りにくいため、木の皮や、
木そのものを割いた素材でかごを作る技法が発達しました。

白樺の樹皮を編む

広大なアフリカでは、どうでしょうか?

かごの素材となり得る植物は、椰子、麻、樹皮、蔓、背の高い草などと、
本当に多彩。
編む技法も、それぞれの素材の性質に合わせて発展してきました。

例えばサイザルの場合、繊維を撚ってつないでいくことで、強度と長さを
確保しています。




さて、「コイル」状に巻いていく編み方も、アフリカらしさを感じさせる特徴的な技法のひとつ。




これは、背の高い草を、いかに丈夫なかごに仕立てるかという
問いの中から生まれてきました。

草一本づつでは強度が足りません。そこで束にして、他の素材で
コイルを巻くようにぐるぐると巻きあげることで、厚みと強度を兼ね備えた
材質に変化させたのですね。


かごの多様性は、技法の多様性。
それは今も昔も、素材の多様性と、作り手の絶え間ない探求のなかから
生まれてくるのでしょう。


◎「コイル巻き」のバスケット
 ・ウガンダ  キボ バスケット
 ・ウガンダ  ラフィア フラットバスケット
 ・マダガスカル  アラボラ&ラフィアのかご

2012-09-26

新潮社「日本のかご」で紹介していただきました

皆さま、お元気ですか?朝子です。
どうも一足飛びに秋がきてしまったようですね。あわてて長袖をひっぱりだしてきました。

さて今日は、かごがお好きな方なら、きっと興味津々の本をご紹介します!

新潮社の「とんぼの本」シリーズより、発売されたばかりの
日本のかご えらぶ・かう・つかう」 です。

  

手仕事の分野に造形の深いインテリア・スタイリストの小澤典代さんが
歴史、素材、技法、産地などなど、さまざまな面から日本のかごをふかく掘り下げた
渾身の一冊です。

情報量もさることながら、写真の美しさにはため息が出そうになります。

そして、このなかでカゴアミドリも取り上げていただきました!
当店の伊藤征一郎のインタビューに加え、日ごろ取り扱っている製品も
随所に登場しています。

じつは表紙の写真も、当店のかごをプロのカメラマンさんが撮影されたもの。
「プロが撮ると、こう写るんだ」と、ひそかに感動した一枚です。

それはともかくとして、、、

かご作りのような、暮らしに根ざしたテマヒマ仕事が急速に消え行きつつある今、
それを守り残そうと奮闘しているたくさんの人たちの、今日現在の姿を
丹念に追った、貴重な記録だと思います。

ぜひぜひお手にとってご覧くださいませ。


新潮社 「日本のかご えらぶ・かう・つかう」 書籍案内は、→ こちら


朝子

2012-09-25

【秋の東北旅3】岩手県 旧沢内村へ

まだまだ旅は続きます。

翌日は、岩手県西部に位置する西和賀町(旧沢内村)へ向かいました。

以前、岩手の里山に住む方に、「岩手県の秘境はどこですか?」
と聞いたことがありました。そのときの、「沢内村かなあ」という答えが
今も記憶に残っています。
自然がとても豊かで、文化も色濃く残っているのでしょう。
とても楽しみです。
(かがやく稲穂がお出迎え)
 
(そば作りも盛ん。そばの花が満開でした。)

 (近くの農家では、おばあちゃんが洗った小豆を乾燥中。
冬は縄づくりもされるのだとか)

無事に到着。盛岡からは、車で1時間ほどの距離でしょうか。
この地では、30年ほど前にあけび細工を中心とした編組品の製作活動が
はじまりました。

当初は、秋田や青森など、あけび細工を代表する産地から講師を招き、
材料の採取からかごの完成まで、レクチャーを受けたそうです。

(採取したあけび蔓の葉を落とし、整え、乾燥させます)
 
当時は30人ほどのつくり手がいたそうですが、やはり高齢化の問題も
影響し、現在中心となっているメンバーは6人ほどとなっています。

(飾られた写真はみんな笑顔。長靴に混じって、雪靴の人も!)

今日は、ここに移住して、農園を営みながら、あけび細工を学んでいる
30代の女性と待ち合わせし、案内していただきました。

3人のお子さんを育てながら、有機のお米やお花などを栽培し、余った時間は
かごづくりにも取り組むすてきな方です。
思えば、子育て・農業・手仕事、いずれも愛情と手間暇が必要なことばかり。
感心してしまいます。

地元の農家レストランで、おいしい昼食をはさみながら、ゆっくりとお話ができ
貴重な時間となりました。
いま、おばあちゃんたちのこれまでの活動や製品を紹介しながら、
将来の若いつくり手が継承していくために、必要なことはなにか? について
とても真剣に考えていました。

今回の出会いをきっかけに、当店でも将来なにか協力できることがあれば、
とてもうれしいことです。


後日談なのですが、沢内村を離れたあと、秋田の著名なあけび職人である
中川原信一さんを訪ねました。そして分かったことなのですが、
30年前、この地域に講師として技術を伝えたのは、中川原さんとお父様だったそうです。

沢内村の活動は今も気に掛けておられ、近くを通る際は立ち寄ることも
あるとか。


それから数日後、旅の最終日に盛岡で泊った「熊ヶ井旅館」では、
お女将さんが、沢内村のくるみ籠を愛用していることも発見!

(手前は10年、奥は5年ほど前に購入だそう。
よい味がでていました。)

というわけで、沢内村のかごを巡る旅。
僕の中で、その輪が広がりをみせてきました。

近いうちに、商品とともに詳しくご紹介したいと思っています。

征一郎

2012-09-20

【秋の東北旅2】小岩井クラフトフェア

さて、その翌日。
たのしい時間とおもてなしを提供していただいた「フィールドノート」さんに別れを告げ、
今日は盛岡方面に戻ります。
 
ちょうど、小岩井農場で年に一度の「クラフトフェア」が行われていると聞き、
みなで足を運んできました。
90軒ほどの出店者のテントが並んだ会場は、たくさんの人でにぎわっていました。


タイマグラ在住で、いつも訪問させていただいている安部智穂さんは、
このイベントの主催者をしているため、ちょうど入れ違い。
今回はこの会場でお会いできました。(安部さんによるイベントの報告は「こちら」)

もちろん、パートナーであり、桶職人の奥畑さんも出店しています。
すぐれもののお櫃たちが勢ぞろい!早速、友人も購入していました。

(南部桶正のお櫃。我が家でも愛用してます!)
 
 
緑の木々に囲まれ、きもちよい環境の中、訪れた人々がとてもくつろいでいる
雰囲気が印象的でした。
なんとこの「小岩井クラフトフェア」は、今年で10年目だそう!
主催者の方々の長年の努力と、このイベントを楽しみにしている方々の輪が
有機的に広がっているイベントなのだなあと思いました。

さて、その後は盛岡駅周辺を散策したあと、みなと別れました。

(のんびり中津川沿いを歩くのが好きだなあ)
 
そして、僕はこのまま北東北をめぐり、かご作りのみなさんを訪問してきます。
というわけで、次回はかごの産地をレポートする予定です!

征一郎


2012-09-19

【秋の東北旅1】ハヤチネとタイマグラ

こんにちは。

先週末より岩手にやってきています。
日本百名山の一つでもある「早池峰山」にのぼるため、友人4名でやってきました。

一足早い秋の涼しさを期待していたのですが、地元の方も驚くほどの猛暑続き!
滞在中はほとんど毎日、 日中は30度を超える猛暑が続いていました。

登山当日はすばらしい快晴!
鉱物学的にも珍しい蛇紋岩と、高山植物の花々の組み合わせが特徴的な山です。

早池峰山は、今回で三回目の登山になるのですが、訪れるたびにこの環境を守ろうと
熱心に活動されるボランティアの皆さんを目にします。
この日も、駐車場の案内からトレイルの整備、そして今年より本格的に携帯トイレの
義務化に取り組み、その理由と使い方をていねいに説明していました。
(すばらしい取り組みだと思います!)


登りはじめてから約三時間、山頂に到着しました!
頂上から派生する尾根を歩くのは、ちょっとした縦走気分が味わえます。
奥に見える岩場の剣ヶ峰で、しばし休憩を取りました。

(見下せば、宿泊場所のタイマグラを発見!)
 
今宵の宿を見つけた途端、急速にのどが渇き、おなかがすいてしまうのはなぜでしょう。
ちょっぴり急ぎ足で下山を開始!
 

 
(ちょっとスリリングな場所もあり。)
 
無事に下山し、前日よりお世話になっている山小屋、「フィールドノート」に到着。


疲労感はあれどおいしい食事とたのしい話題に、ついつい今夜も夜更かしして
しまうのでした。
 
(釣りの師匠W氏が前日に釣ったイワナ→その後骨酒)
 
まだまだ、旅は続きます。
 
 
征一郎

2012-09-12

かご小話: ボルガ地方のバスケット

多様な素材と技法、カラフルな色どりが目を引くアフリカのかご。

中でも「ボルガバスケット」と「ラウンドバスケット」は、
日本でもよく知られ、人気の高い定番製品の一つです。



ボルガバスケット
ラウンドバスケット

産地はどちらも、カカオで有名な西アフリカのガーナ。
その最北端にあるボルガタンガの町とその周辺です。

伝統的にかご作りが盛んなこの一帯では、「ナピアグラス」という草を
素材に使います。背の高いイネ科の草で、別名はエレファントグラス。

茎の部分に撚りをかけ、染色などの工程を経て、すべて手作業で
バスケットが編みあげられていきます。


「ボルガバスケット」のほうは、一本持ち手に巻かれた、赤い山羊革が特徴です。


革を巻く作業は、ボルガタンガから十数キロ先の国境を越えて、
ブルキナファソ側でも行われています。

山羊革は、現地では大変貴重な素材。すみずみまで余すことなく使うため、
重ねたり、つぎはぎしたりと、様々な工夫のあとが見られます。


一方「ラウンドバスケット」は、ボルガ地方の中でも特に質の高いかごを
生産しているニャリガ村の特産品。

家庭ごとに伝えられてきたかご編みの技は、近年、気候の厳しいこの地に
貴重な現金収入をもたらす産業として、大きな発展を見せています。




日本の海外青年協力隊もこの村に派遣され、バスケット産業の発展の
ために活動しているそうですよ。

バスケットの市場が世界に開けたことによって、村では、貧困が軽減され、
障害を持つ人の雇用が生まれたりと、生活が大きく向上したそうです。


遠く離れた国から届けられる、手仕事のバスケット。

それを手にとったとき、私たちとはまったく異なる生活を送っている
人々の暮らしの姿や、日々の営みまでも感じことができるような、
そういうかごを探していきたいと思っています。

◎ブルキナファソ・ガーナのかご
http://kagoami.com/SHOP/90572/list.html

2012-09-03

はけのおいしい朝市のご報告

 
小金井の「はけのおいしい朝市」Vol.37は、昨日無事に終了しました。
 
土砂降りの雨の合間に、ちらちらと青空がのぞくような落ち着かない
お天気にもかかわらず、たくさんのお客様が足をはこんでくださいました。
 
ご来場くださったみなさま、またきめ細かなサポートをしてくださった朝市スタッフの
みなさま、本当にありがとうございました!
 
カゴアミドリは第二会場、「中村文具店」さんのガレージをお借りして、
おなじくゲスト参加の「chappo」さんと並んでの出店です。
(トタンで囲って、雨対策はばっちり。雨宿り中に描かれた太陽?)

夏休み最後の一日とあって、真っ黒に日焼けした小金井の子どもたちの
元気いっぱいの姿もたくさん見られました。


一方、第一会場の「dogdeco Home」さんも、豪雨の中、お店からはみださんばかりの
人出で盛りあがっていました。

その様子は、朝市オフィシャルブログの方にたくさんアップされています。
http://hakeichi.exblog.jp/16086420/


ところで毎月恒例の「はけのおいしい朝市」。10月はいつもと場所を変えて、
立川の駅ビル「ルミネ」の屋上で「あおぞらガーデン」というイベントの一環として
開かれるそうです!

立川駅を日ごろご利用のみなさん、10/6(土), 7(日), 8(月祝)の連休は、ぜひ
予定にチェックを入れておいてくださいね。

征一郎