2017-11-16

千葉県匝瑳市「木積の箕」

こちらは二年前に訪問した、千葉県の匝瑳(そうさ)市の
「木積地区の箕づくり」にお邪魔した時の模様です。


「木積箕づくり保存会」では、毎月第一土曜日に会員の皆さんが
集まって作業をしてますが、一般の人も自由に体験、見学を
することができます。

この日は、箕の材料となる「フジ」と「シノダケ」を刈りに
山に入ると聞いて、はじめて参加させていただきました。

まずはじめに感じたのは、みなさんとても楽しそうに和気
あいあいな雰囲気であるということ。
箕づくりの技術の習得を目的にしつつも、会員のみなさんが定期的に
集まって、楽しく作業することを大切にしている印象をうけました。

まずは、フジの採取のため森の中へ。
木々に絡んでくねくねしたものではなく、できるだけまっすぐ
長いものを探すのですが、これがなかなか見つからず。
ベテランの方のあとをついて歩くのがやっとで、自分だけで
みつけることはできませんでした。



採取できたフジはすぐに土の中へ。
しばらく寝かせることで、樹皮や芯を取り出しやすくするのが
目的ですが、たまにどこに埋めたかわからなくなってしまうことも。
この日も、スコップで土を掘り起こしていたところ、以前埋めた
と思われるフジが数本発掘され、みんな大笑いしていました。


お昼休憩の後は、篠竹の採取へ。


道路沿いの斜面に群生している場所を見つけ、切り出す人、
運び出す人、結束して車に乗せる人など、それぞれ分業で
作業を行い、みるみるトラックの荷台がいっぱいになりました。


作業場まで運び入れると、すぐに竹を割って天日干しします。
竹を割る作業はやはりなかなかうまくいかず、いくつかの材料を
無駄にしてしまったのですが、そんなの当たり前という雰囲気で、
なんでも体験させていたけたのがうれしかったです。

笹の皮を採る作業

割いた竹は、縛って立てておくことで
乾燥がはやまります。

ここまでの今日一日の作業時間は約6時間。
思ったよりもあっという間の楽しい時間でした!

今回は材料を準備するまでの作業でしたが、早い人だと3か月
程度で一枚の箕を仕上げることができるのだそうです。

木積地区の箕づくりも、国の重要無形民俗文化財に指定されて
いますが、他の箕の産地と同様、需要の低下や価格の問題、
一枚の箕を製作するのにたいへんな労力がかかるなど、多くの
課題がありました。昭和の最盛期には、年間12万枚が出荷されて
いましたが、現在はわずか数十枚ほどの生産量の状況です。

しかし、参加されているみなさんの姿を見ていると、技術の継承を
目的にしているだけではなく、地域内外の人の交流や地域文化全体を
盛り上げる一つのツールとして「箕づくり」を捉えているような
印象を受けました。


埋めた場所を忘れないためのマーク


これまで何度か参加していたことのある知人が話していた
「居心地がいい」という言葉の意味がよくわかる訪問でした。

お世話になった皆さま、ありがとうございました!



富山県氷見市論田・熊無の「藤箕」

先日、東京文化財研究所で行われた「箕サミット」では、富山県
氷見市で「藤箕」づくりを行っている坂口忠範さんも実演されていました!


お会いするのが、約一年ぶり。
ちょうど昨年末、富山県氷見市論田・熊無の「藤箕」づくりを紹介する
冊子
づくりのために、現地を訪ねてきました。


「藤箕のなやみ」となづけた小冊子


そのとき、取材のためにお世話になったのが「藤箕づくり技術保存会」の会長である坂口忠範さんでした。
材料採りから素材の加工、箕の完成までを見学するため、坂口さんを
二日間を追いかけ、すべての行程を見学させていただきました。

藤箕の里、熊無・論田地区の棚田

「藤箕」の産地となる論田・熊無は、氷見市の西部に位置し、
石川県との県境に位置する二つの集落です。
この地での箕づくりは、
室町時代から
600年以上続いてきた長い歴史をもちます。

2012年にその技術的な価値が認められ、国の「重要無形民族文化財」に
指定されますが、その当時箕づくりを行っていたのはわずか数軒のみ。
70~90歳代の作り手が中心で、新たな
後継者もあらわれない現状から、
うれしいニュースであると同時に、今後の存続
に対する責任の重さも
感じたそうです。

「藤箕」の名は、フジヅル(藤の蔓)を挟み織っていることに由来。
フジの強い繊維を使用することから、軽量で耐久性に優れています。


持ち手部分には、ニセアカシア(またはヤマウルシ)を用い、叩いて
柔らかくしたフジとタケ(矢竹)を組み合わせたものが「平箕」と
よばれる本体部分となります。また、口先の部分が割れるのを防ぐため、
ヤマザクラの樹皮を補強に
使います。

まずは、この4つの素材を山から採取することが、とてもたいへんな
作業になりますが、この地域での箕づくりはすべて
工程を一人で行うのが
基本。分業は作業の効率化や専門性を活かす
ことができますが、
一名でもかけてしまうと箕づくりができなく
なってしまうことから、
古くから一戸ごとの生産を行ってきたと
いうことです。


坂口さんは会長になられたのは、一年ほど前から。
そのきっかけを伺ってみると、この地域で藤箕づくりができる
作り手さんが、いよいよ80代~90年歳代のご高齢となり、他に
箕づくりができそうな後継者がいないか探していたところ、
声を掛けられたのが坂口さんでした。



しかし、実際に坂口さんが箕づくりを体験していたのは、今から50年以上
前のこと。外で働きはじめる前に家業を手伝っていた10代の頃でした。
再び藤箕づくりに挑戦してみたところ、なんとまだその作り方を身体が
覚えていたの
そうです。

「本当は、藤箕づくりが大好きなわけじゃない。箕づくり以外のことも
したいけれど、この土地で600年の歴史がある箕づくりの伝統を次の代に
つなげられるまで、それまでなんとか会長の仕事をやるしかない。」
と語ってくれました。



そして、もう一つの大きな問題は「使い手」の減少です。

農家さんの減少や農業の機械化などにより、需要は激減してきています。
昭和のはじめから30年代後半まで、年間10万枚近い数を産出してきましたが、
現在、実用として必要とされているのはわずか100枚程度。
そのほとんどの注文は、地元からによるものではなく、北海道のジャガイモ
農家さん向けに
つくられているというのが実情です。

そこで取材を終えた後、坂口さんにお願いをしました。
昔ながらの農具としての存在に、藤箕の本来の価値と魅力があるのだと思いますが、その技術を存続するためにも、現代の暮らしに取り込めそうな
新しいものづくりを、今後の活動の一部に取り入れてもらうことが
できないか、相談させていただいたのでした。

お願いしたのは、箕の形をアレンジした「かご」の製作ですが、
その数週間後、なんとか試作品ができたよとの連絡がありました。


お店のカウンターで使っています。

想像以上の出来栄えに驚きつつ、試行錯誤してがんばってくれている
坂口さんの姿が浮かんできました。まだ量産できる状況ではありませんが、
できるだけお客様にも見ていただきながら感想をあつめ、完成品に
近づけられたらと思っています。

訪問した記事を担当させていただきました

今の暮らしにあうように変えすぎてしまっては、箕ではなくなってしまうし、
でもそのままでは存続していくのはむずかしい。そのバランス感覚が難しい
ところですが、これまでの伝統的な箕づくりとともに、これからの将来に
つながる可能性の一つとして、今後も取り組みを続けていきたいと思って
います。

2017-11-14

秋田県秋田市太平黒沢の「太平箕」

しばらく前の話となりますが、先日、秋田県・秋田市、太平黒沢の
「太平箕(おいだらみ)」の職人、田口召平さんを訪ねました。

イタヤカエデの若木を割いて、フジヅルと組み合わせて編み、
枠に根曲竹を使ったこの地域特有の「箕」は、白い木肌がうつくしく、
どこか女性的な雰囲気を漂わせています。
日本各地にあるさまざまな素材を使った箕の中でも、もっと
美しい箕の一つ
なのではないかと思います。

機能の面では、弾力性と丈夫さを兼ね備え、水漏れもしにくいなど
素材の特性をうまく活かしたつくりとなっており、当時は
「馬が乗っても壊れない」といわれていたそうです。




 10年以上前につくられたという太平箕。
経年による色の変化に加え、光沢が増していました。


かつてこの太平と周辺の集落では、ほとんどの人が箕づくりに携わっており、
村の名前を冠した「太平箕」とよばれて、幅広い地域に出荷されていました。

昭和30〜40年代に、生産数のピークを迎えます。
最盛期には、70人以上の職人たちが、年間5〜7万枚もの数を生産。
しかし以降は農業の機械化やプラスチック製品の台頭により、
需要が激減してしまいます。



そして現在、専業の職人として活躍しているのは 田口召平さんお一人のみ。
昭和12年生まれ、現在80歳の御年です。


箕の作り手ならではの視点で描かれたスケッチ

田口さんはご自身の箕づくりに加えて、日本各地の箕の産地を訪れ
それらの特徴をスケッチに詳細に記録。
60枚以上の箕も収集されており、その知識の深さも貴重な財産だと
思いました。




うつくしい道具入れは、イタヤカエデで編んだもの。
刃物の柄やハサミのカバーは、箕の素材の一つでもある
桜の樹皮で自作されていました。



とても気さくで、終始おだやかな笑顔で たくさんのお話を聞かせてくれた
田口さんですが、後継者がいないことを大変残念に感じておられました。

「本気で習いたい人が現れてくれたら、自分の技と知識を伝えたい」

と最後に話してくれた一言が、とても印象に残る訪問となりました。


『箕サミット -編み組み細工を語る- 』に参加してきました。

11月13日  箕をテーマにした「箕サミット - 編み組み細工を語る -」が東京文化財研究所で開かれることを伺い、参加させていただきました。



秋田(秋田市太平)、富山(氷見市論田・熊無)、千葉(匝瑳市)の
三つの地域の作り手の方々による実演と解説や、それぞれの産地における
箕づくりの
現状とこれからについて、ディスカッションが行われました。


 秋田県の太平箕

 富山・氷見市 論田・熊無の箕

千葉県・匝瑳市 木積の箕

いずれの地域も現地に直接訪問し、お話を聞いたことがありましたが、
みなさんが一同に揃って、同じテーマについて語ることによって、
それぞれの目標や取り組み方の違いがわかりやすく、とても貴重な機会と
なりました。

作り手の問題、使い手の問題、材料の問題など、箕づくりの存続のためには
さまざまな課題があると思いますが、当日の会場にはさまざまな立場の
80名を超える参加者の方が集まり、みなさんの関心の深さがうかがえました。
これをきっかけに、新しいネットワークやアイデアが生まれ、既存の取り組み
ではみられなかった活動もはじまっていくのではないかと期待しています。

当店は、今年の4月に発行した、富山・氷見市の論田・熊無地域の箕を
テーマにした冊子「藤箕のなやみ」の発行に協力をさせていただくなど、
かごをメインに扱っているお店ではありますが、今後も各地域の方との
つながり深めていけたらと考えています。

そこで、これまで訪問した三つの地域について、この機会に簡単な
記事にまとめてこちらに報告したいなと思っています。




2017-11-10

ミスミノリコさんの『繕う暮らし 展』開催します!

12月のかごイチでは、今年6月に出版されたミスミノリコさんの書籍
『繕う暮らし(主婦と生活社)』の出版記念イベントを、
12月9・10日(土・日)の2日間で開催いたします!


ミスミさんは、お店のディスプレイや、撮影時のスタイリングなどなど
いつもよろずの相談に乗っていただいている方。
12月は実店舗の5周年ということもあり、出版記念のイベントとして
開催をお願いしたのでした。

両日は、「お繕い」をテーマにしたワークショップと相談室を開催。
店内では繕うシーンにあうカゴをセレクトし、使い方もご提案いたします!
その他、お繕い用のキット、ダーニングマッシュルーム(キノコ型の道具)
はもちろん『繕う暮らし』の書籍も販売予定です。

ついてしまったシミ、うっかりあけてしまった穴も、その人の重ねてきた
日々の出来事。思い出の品に寄り添うようなお繕い方法をご紹介します。
新しい年を迎える前に冬の手しごとをひとつ学びませんか?

【ワークショップ】
●129日(土)「はじめてのダーニング ワークショップ」
※ 受付を終了いたしました
ダーニングマッシュルームを使ったお繕い方法を学びます。
その他、パンチングニードルを使った手軽なお繕い方法も実演して
ご紹介いたします。針と糸を手に楽しい時間を過ごしましょう。

・時間:11:0012:30
・参加費:4500
・定員:6名(受付終了)
・持ちもの: 筆記用具、繕いたいもの、糸切りバサミ、
 ダーニングマッシュルームをお持ちの方はご持参ください。
 (お持ちではない方は、お貸し出しします)
・繕いたいものの例:
 穴のあいた靴下やセーターなど。穴の大きさは3センチくらいまで。
 極端に厚手のものや薄手のものは避けてください。お繕いできない場合
   もございます。ニット素材がお繕いしやすくオススメです。
 (お繕いするものがない方は、こちらで生地を準備することも可能です
  お気軽にご参加ください。)

●1210日(日)「ニードルパンチのピンクッションバスケット」
ニードルパンチはニット製品の穴あき補修にとても有効なお繕い方法です。
お繕い方法を学び、その方法を応用してピンクッションを制作します。
作ったピンクッションはヤナギのミニバスケットにセットしてお持ち帰り
頂けます。針仕事が初心者の方にも楽しめるワークショップです。

・時間:11:0012:30
・参加費:4500
・定員:6名
・必要なもの:糸切りバサミ

◎お申し込み方法
「 info(☆=アットマーク)kagoami.com 」宛てにメールにてお申し込みを
お願いいたします。
メールのタイトルに「WS希望」と記入いただき、本文に、
1)お名前   2)電話番号(携帯)  3)ご希望のWSの日時
のご記入をお願いいたします。


受付の完了後、当店より確認メールをお送りいたしますので、送信より
3日を
過ぎてもメールが届かない場合はご一報くださいませ。
当日は、開始10分前にご来場いただき、お会計をお済ませください。
・お支払いは現金のみとさせていただいております。

【繕い相談室】
両日ともに 14:30-16:30は、小さなお繕い相談室を開設いたします。
お手持ちのお繕い予備軍(基本的にニット製品)をお持ちいただき、
ご相談のうえ、お預かり&お繕いさせていただきます。
詳細は、後日ブログなどにてご案内いたします。


<プロフィール>
ミスミノリコ ディスプレイデザイナー/暮らしの装飾家


あしらい好きの母親と、壊れたものはなんでも直してしまう職人肌の父親と。
2人を見て育ったわたしはやはり、手を動かすことが好きでした。
日曜のたび、父親に連れられて行くのは近所のホームセンター。
店の看板にはこう書いてある。「do it yourself」。わくわくする言葉だった。
大人になった今も、好きなことはそんなに変わらない。
キーワードは「自分でやってみよう」。
少しのdo itで毎日の暮らしを明るく楽しくする提案を日々考えています。

美大でテキスタイルを学んだのち、ウィンドーディスプレイやスタイリングの
仕事に携わる。現在は独立し、店舗のディスプレイや雑誌、書籍のスタイ
リングなど幅広く活躍中。ふだんの暮らしに取り入れられる、デコレーション
アイデアや、手作りの楽しさを発信している。
(ミスミノリコHP: http://room504.jp


秋田県立博物館「植物を編む - 暮らしの中の編組- 」


秋田県立博物館にて、12月初旬より行われる
「植物を編む - 暮らしの中の編組- 」と題した企画展に、
当店も一部協力をさせていただきました。

かごづくりが盛んな秋田県ならではの伝統的な編組品に加え、
全国各地域の特色ある品々も多く展示される予定です。




【 植物を編む - 暮らしの中の編組- 】

○会期:12月2日(土)~2018年4月8日(日)
○時間:9:30~16:00
○休館日:月曜日(休日と重なったときは次の平日)・12/28~1/3
○観覧無料
○ホームページは「秋田県立博物館」で検索してください


また、3月18日(日)は、「編組品から読み解く知恵と文化」という
テーマで、秋田を代表するあけびつる細工の職人・中川原信一さんと
当店・伊藤が僭越ながら対談をさせていただきます。
まだだいぶ先の日程ではありますが、参加可能な人数が限られてきている
とのことですので、ご関心のある方はお早めにご予約くださいませ。

◎喫茶DE対談「編組品から読み解く知恵と文化」

日時:3月18日(日)10:00~11:30
話者:中川原信一氏(秋田県横手市)× 伊藤征一郎(東京・カゴアミドリ)
進行:斉藤洋子(当館学芸主事)
参加費:300円(コーヒー・デザート付)
受付:018-873-4121(秋田県立博物館)




みなさまのご来場をお待ちしております!

2017-11-04

【国立店5周年企画】「祝の島」&「ある精肉店のはなし」上映会

地元・国立に店舗を構えて、おかげさまで5年

12月は5周年の企画イベントとして、ドキュメンタリー映画の監督である
纐纈(はなぶさ)あやさんの作品を、観て、聞いて、味わうイベントを
開催したいと思います!

カゴアミドリ国立店 5周年企画
纐纈あや監督「祝の島」&「ある精肉店のはなし」上映会 
2017年 12月17日(日)


日頃、お店を運営していて感じているのは、昔ながらの方法でものづくりを
存続させるのが、本当にとても難しくなっているということ。
山の木を使って道具をつくることも、従来の方法でたべものを得ることも、
自然と寄り添い暮らしてきた人間らしい営みが、どんどん失われていることを
実感しています。

後継者がいない職人さんなどを、できるだけ映像に残したい、
技だけでなく、その人物の魅力や生き方も記録したい、と思うとき、
現代の暮らしの中で、消えつつある人々の営みを映像に撮り続けている
映画監督・纐纈あやさんの視点が、とても参考になっています。
そして現在、福島・いわきの小名浜で竹細工職人を続ける西山昭一さんが
仕事を続けている姿を、纐纈さんの力を借りて記録しています。

そこで今回、纐纈さんの代表作「祝の島」「ある精肉店のはなし」
2本の上映会を開催したいと思います!
それぞれの上映の後には、監督のトークに加え、現在あらたに
撮影している映像のダイジェスト版もご覧いただける予定です。

そして、映画にまつわるおいしいもの、祝島「あとみの店」のひじきや、
大阪「北出精肉店」さんのお肉や佃煮なども、おいしく味わっていただける
よう準備を進めています!

A)「祝の島」上映会 & トークイベント
  (13:00~15:45)
山口県上関町祝島。「海は私たちのいのち」と島の人は言う。
1982年、島の対岸4kmに原子力発電所の建設計画が持ち上がった。
「海と山さえあれば生きていける。だからわしらの代で海は売れん」
という祝島の人々は、以来28年間反対を続けている。
いのちをつなぐ暮らし。祝島にはそのヒントがたくさん詰まっている。
(公式HP:https://goo.gl/EE7zJU

12:30  受付開始(12:50 までに受付をお願いします)
13:00  上映開始
15:00  纐纈あや監督によるトーク&ミニ上映会
15:45  終了予定
○定員:25名
○参加費:1,300円
☆山梨県北杜市「ゼルコバ」の祝島ひじきパンと、
 祝島「岩田珈琲店」のコーヒー付き!

B)「ある精肉店のはなし」上映会 & トークイベント
   (17:00~20:00)
牛のいのちと全身全霊で向き合う、ある精肉店との出会いから
この映画は始まった。
家族4人の息の合った手わざで牛が捌かれていく。
牛と人の体温が混ざり合う屠場は、熱気に満ちていた。
いのちを食べて人は生きる。
「生」の本質を見続けてきた家族の記録。
(公式HP:https://goo.gl/jcHjh1

16:30  受付開始(16:50 までに受付をお願いします)
17:00  上映開始
19:00  纐纈あや監督トーク&軽食
20:00  終了予定  
○定員:25名
○参加費:2,500円
☆物書き料理家「マツーラユタカさん」による、映画にまつわる
 食材を使った軽食付き!
___________________________

◎お申込み方法
事前のご予約をお願いいたします。
1.お名前  2.お電話番号  3.参加希望回 をお知らせください。
TEL:042-505-6563
Email:info(*)kagoami.com  ※(*)を@マークに変更してください

◎A)+B) あわせて参加の方は、参加費は 3,500円(300円引き)と
   させていただきます。
◎お子様のご参加も可能ですが、映画の内容からみて、小学生高学年
 以上がひとつの目安になると思います。料金が各回200円引きです。
 (誠に恐れ入りますが、乳幼児のご同伴はご遠慮いただいております)

◎ミニ上映会(ダイジェスト版)は以下の2作品をご紹介します。
 ・広島県竹原市忠海 岩乃屋「アマモ石風呂」(5分)
 ・福島県いわき市小名浜 西山カゴ店「万漁かご」(5分)
  → 来年4月に完成予定(カゴアミドリで上映会を予定)


映画監督 纐纈あやさんの視点と、失われつつある貴重な暮らしの記録を
存分にみていただける貴重な機会です。
皆さまのお申し込みをお待ちしております!

●纐纈あやさん プロフィール:
東京生まれ。自由学園卒業。2001年ポレポレタイムス社に入社。
本橋成一監督の『アレクセイと泉』('02年)『ナミイと唄えば』('06年)
の映画製作に携わる。
2010年に上関原子力発電所に反対し続ける島民の暮らしを映し撮った映画
『祝の島(ほうりのしま)』を初監督。シチリア環境映像祭で最優秀賞受賞。
大阪貝塚市の北出精肉店の家族の暮らしを描いた二作目『ある精肉店の
はなし』(2013年)は釜山国際映画祭、山形国際映画祭招待作品。
ニッポンコネクション(フランクフルト)ニッポン・ヴィジョンズ観客賞、
第5回辻静雄食文化賞。平成26年度文化庁映画賞文化記録映画部門大賞。
現在は、日本の移り行く時代の中で消えかかっている人々の営みを映像に
撮り続けている。


2017-10-26

「わら細工 たくぼ」さんの仕事(その3)

いよいよ工房内での縄飾りづくりの作業に移ります。

青わらを必要な長さに切断してからは、本当に瞬く間の
作業の連続でした。

手も足も、全身を使いながら、わら細工のかたちがつくられていく
その過程は写真でご覧ください。





徐々に縄細工のかたちが現れ、、、完成したのは『祝酉(いわいどり)』。
「幸福をトリこむ」という語呂合わせで縁起のよい、たくぼさん定番の
縄飾りです。

そして今回、当店用にひと手間加えていただいた特別仕様を製作
いただけることに。
なんと「カゴアミトリ」と名付けていただきました!
まもなく当店での販売を予定していますので、ぜひご期待ください。


今回の訪問を通して、かつての身近な道具として「縄細工」に親しみを
もっていたけれど、実はその背景をほとんど知らなかったことを
あらためて気づきました。

もともと農家さんの「副業」で続いてきた伝統が、このままでは
続けられなくなってきている現代の状況。ならば、自分が「専業」
の職人となることで、時代の流れの変化にも対応し、この伝統を
継いでいこうと決意した甲斐さんの気持ちががすこし分かった
ような気がしました。

わら細工も、かごづくりも、自然と寄り添いながら続いてきた
基本的な暮らしの営みの一つ。
今はその重要性が薄くなりつつありますが、だからといって途絶えて
しまってはあまりにもったいない。単に道具や技術だけではなく、
人と自然の関係や、地域の人と人とのつながりも一緒に消えていって
しまうのではないかと思います。

手仕事とは、これまで何世代にもわたって積み重ねられてきた
ひとの知恵の結晶、いつかその損失の大きさに気づく時代が
来ないとは限りません。

「わら細工 たくぼ」甲斐陽一郎さんの仕事。
ぜひあらためて、実店舗での企画展という形で実現できればと
思っています。ご期待いただければ幸いです。



「わら細工 たくぼ」さんの仕事(その2)

続いて、実際の作業を見学させていただくことに。

「わら細工づくりの1から100までの作業を一通り見せてほしい!」
という無理なお願いをしてしまったのですが、甲斐さんは終始笑顔で
対応してくれました。本当にありがとうございます!

害虫によって色が変わってしまった稲わら

わら細工に適しているのは、背の高い品種のお米。
しかし、台風など風雨の影響を受けやすく倒れてしまう可能性があるため、
リスク分散のために、時期をずらして数種の品種を育てているそうです。

収穫あとは、すぐに乾燥させなければならないので、いつも天気予報と
にらめっこ。雨が多かった今年はきっと、胃が痛くなる日も多かった
のではないかと思います。

まず見学したのは、収穫後に乾燥させた稲らを「選別」する作業。
想像どおりではあったのですが、昔ながらの簡素な道具のみを使い、
人の手だけを使った作業の繰り返しに、なんだかとても感動して
しまいました。

日本のわら細工の将来を担う20代&30代コンビ!



短かったり、折れていたり、割れがあったり。
わら細工に使用できる稲わらの量は、全体の半分程度しかありません。

そして使えないわらも、そのままゴミとして捨てず、毎日近くの牧場に
無償で届け、牛たちのエサにしてもらっているのだそう。
わざわざ運び届ける手間はかかりますが、資源としての稲わらを地域内で
循環させることも、甲斐さんが大切にされていることの一つ。
必要とする周囲の人たちと積極的につながるその考え方や取り組みの
姿勢は、国内各地で失われつつあるわら細工の文化を継承するための、
モデルケースになるのではないかと思いました。

青々とした美しい色と、すがすがしい芳香をもつ「青藁」は、
お米が実る前に刈り取った「青刈り」のもの。青刈りをしてしまうと
お米は収穫ができないため、今も昔も大変貴重な素材ですが、
それにもまさる青い神聖な雰囲気を昔の人も感じていたことでしょう。
(通常の黄色い藁は、秋にお米をとったあとに収穫したもの。
青藁よりも強度に優れています)

選別したわらを使って縄づくりをはじめる前に、二つの作業がありました。
全体に水をかけて湿らせること。



続いて、湿ったわらを束にしてから、しなやかさを出すための
なめし作業を繰り返します。


これで縄細工づくりの下準備がようやく完了。
いよいよ工房での作業へ移ります!
(続きは「こちら」)

「わら細工 たくぼ」さんの仕事(その1)

季節外れの上陸となった台風21号。
日本各地に深刻な被害をもたらしたことと思います。

当店でも、スウェーデンより来日中のブロールさんをお招きし、
ワークショップ開催を予定していたのですが、台風が通過する
当日のクラスは、残念ながら中止とさせていただきました。

そして、こちらも心配だったのが、先月末に訪問させていただいた
宮崎・高千穂郷「わら細工 たくぼ」さんの田んぼのこと。


台風直後に送っていただいた写真は、このような状況。。。
この秋の天候不順と台風により、今年収穫できる量にかなり影響が
出てしまうのではとのことでした。

ホッとしたのも束の間、、、今週末には続いて22号が上陸する恐れが。
今日はこれからその対策に奔走する予定だそう。
天候や、常に変化する自然と直に関わる仕事の大変さを感じています。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

「わら細工 たくぼ」さんは、創業60年。
代々、農閑期の副業として、その技術を受け継いできましたが、
数年前に家業を継いで三代目となった甲斐陽一郎さんは、
「みんなで米をつくって、みんなでわら細工を続けていくこと」
を目標に、専業の職人として活動をスタートしました。

一年間で必要とする稲わらは、田んぼを耕すところからはじまり、
すべて自分たちで手をかけて栽培されていました。

宮崎県の北部に位置する高千穂郷は、うつくしい棚田の景観が残る
自然豊かな地域。2015年には、世界農業遺産にも指定された地域です。

斜面を利用した美しい棚田が並びます

 高千穂峡
高千穂神社

そして「天の岩戸」の物語の舞台とも言われる日本神話ゆかりの地で、
古い神々を祭った神社や神楽など、独自の伝統が受けつがれています。
この地だからこそ伝わってきた重要な手仕事に「注連縄(しめなわ)」
があります。

丹精こめたうつくしい注連縄作りで、地元でもたいへん頼りにされている
たくぼさんでは、家庭用のお飾りから、神社の鳥居用、拝殿用の大きな縄まで
あらゆる注連縄や縄飾りを手がけていらっしゃいました。

高千穂郷では、しめ縄飾りをお正月に限らず、一年中飾るのが一般的
なのだそうです。縁起ものとして、古来から家々を見守ってきた伝統の
縄飾りづくりを見学させていただきました。


続いて、当店用に手掛けてくれた「しめ縄飾り」の作業を
レポートしたいと思います!
つづきは「こちら