2017-10-26

「わら細工 たくぼ」さんの仕事(その3)

いよいよ工房内での縄飾りづくりの作業に移ります。

青わらを必要な長さに切断してからは、本当に瞬く間の
作業の連続でした。

手も足も、全身を使いながら、わら細工のかたちがつくられていく
その過程は写真でご覧ください。





徐々に縄細工のかたちが現れ、、、完成したのは『祝酉(いわいどり)』。
「幸福をトリこむ」という語呂合わせで縁起のよい、たくぼさん定番の
縄飾りです。

そして今回、当店用にひと手間加えていただいた特別仕様を製作
いただけることに。
なんと「カゴアミトリ」と名付けていただきました!
まもなく当店での販売を予定していますので、ぜひご期待ください。


今回の訪問を通して、かつての身近な道具として「縄細工」に親しみを
もっていたけれど、実はその背景をほとんど知らなかったことを
あらためて気づきました。

もともと農家さんの「副業」で続いてきた伝統が、このままでは
続けられなくなってきている現代の状況。ならば、自分が「専業」
の職人となることで、時代の流れの変化にも対応し、この伝統を
継いでいこうと決意した甲斐さんの気持ちががすこし分かった
ような気がしました。

わら細工も、かごづくりも、自然と寄り添いながら続いてきた
基本的な暮らしの営みの一つ。
今はその重要性が薄くなりつつありますが、だからといって途絶えて
しまってはあまりにもったいない。単に道具や技術だけではなく、
人と自然の関係や、地域の人と人とのつながりも一緒に消えていって
しまうのではないかと思います。

手仕事とは、これまで何世代にもわたって積み重ねられてきた
ひとの知恵の結晶、いつかその損失の大きさに気づく時代が
来ないとは限りません。

「わら細工 たくぼ」甲斐陽一郎さんの仕事。
ぜひあらためて、実店舗での企画展という形で実現できればと
思っています。ご期待いただければ幸いです。



「わら細工 たくぼ」さんの仕事(その2)

続いて、実際の作業を見学させていただくことに。

「わら細工づくりの1から100までの作業を一通り見せてほしい!」
という無理なお願いをしてしまったのですが、甲斐さんは終始笑顔で
対応してくれました。本当にありがとうございます!

害虫によって色が変わってしまった稲わら

わら細工に適しているのは、背の高い品種のお米。
しかし、台風など風雨の影響を受けやすく倒れてしまう可能性があるため、
リスク分散のために、時期をずらして数種の品種を育てているそうです。

収穫あとは、すぐに乾燥させなければならないので、いつも天気予報と
にらめっこ。雨が多かった今年はきっと、胃が痛くなる日も多かった
のではないかと思います。

まず見学したのは、収穫後に乾燥させた稲らを「選別」する作業。
想像どおりではあったのですが、昔ながらの簡素な道具のみを使い、
人の手だけを使った作業の繰り返しに、なんだかとても感動して
しまいました。

日本のわら細工の将来を担う20代&30代コンビ!



短かったり、折れていたり、割れがあったり。
わら細工に使用できる稲わらの量は、全体の半分程度しかありません。

そして使えないわらも、そのままゴミとして捨てず、毎日近くの牧場に
無償で届け、牛たちのエサにしてもらっているのだそう。
わざわざ運び届ける手間はかかりますが、資源としての稲わらを地域内で
循環させることも、甲斐さんが大切にされていることの一つ。
必要とする周囲の人たちと積極的につながるその考え方や取り組みの
姿勢は、国内各地で失われつつあるわら細工の文化を継承するための、
モデルケースになるのではないかと思いました。

青々とした美しい色と、すがすがしい芳香をもつ「青藁」は、
お米が実る前に刈り取った「青刈り」のもの。青刈りをしてしまうと
お米は収穫ができないため、今も昔も大変貴重な素材ですが、
それにもまさる青い神聖な雰囲気を昔の人も感じていたことでしょう。
(通常の黄色い藁は、秋にお米をとったあとに収穫したもの。
青藁よりも強度に優れています)

選別したわらを使って縄づくりをはじめる前に、二つの作業がありました。
全体に水をかけて湿らせること。



続いて、湿ったわらを束にしてから、しなやかさを出すための
なめし作業を繰り返します。


これで縄細工づくりの下準備がようやく完了。
いよいよ工房での作業へ移ります!
(続きは「こちら」)

「わら細工 たくぼ」さんの仕事(その1)

季節外れの上陸となった台風21号。
日本各地に深刻な被害をもたらしたことと思います。

当店でも、スウェーデンより来日中のブロールさんをお招きし、
ワークショップ開催を予定していたのですが、台風が通過する
当日のクラスは、残念ながら中止とさせていただきました。

そして、こちらも心配だったのが、先月末に訪問させていただいた
宮崎・高千穂郷「わら細工 たくぼ」さんの田んぼのこと。


台風直後に送っていただいた写真は、このような状況。。。
この秋の天候不順と台風により、今年収穫できる量にかなり影響が
出てしまうのではとのことでした。

ホッとしたのも束の間、、、今週末には続いて22号が上陸する恐れが。
今日はこれからその対策に奔走する予定だそう。
天候や、常に変化する自然と直に関わる仕事の大変さを感じています。

ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

「わら細工 たくぼ」さんは、創業60年。
代々、農閑期の副業として、その技術を受け継いできましたが、
数年前に家業を継いで三代目となった甲斐陽一郎さんは、
「みんなで米をつくって、みんなでわら細工を続けていくこと」
を目標に、専業の職人として活動をスタートしました。

一年間で必要とする稲わらは、田んぼを耕すところからはじまり、
すべて自分たちで手をかけて栽培されていました。

宮崎県の北部に位置する高千穂郷は、うつくしい棚田の景観が残る
自然豊かな地域。2015年には、世界農業遺産にも指定された地域です。

斜面を利用した美しい棚田が並びます

 高千穂峡
高千穂神社

そして「天の岩戸」の物語の舞台とも言われる日本神話ゆかりの地で、
古い神々を祭った神社や神楽など、独自の伝統が受けつがれています。
この地だからこそ伝わってきた重要な手仕事に「注連縄(しめなわ)」
があります。

丹精こめたうつくしい注連縄作りで、地元でもたいへん頼りにされている
たくぼさんでは、家庭用のお飾りから、神社の鳥居用、拝殿用の大きな縄まで
あらゆる注連縄や縄飾りを手がけていらっしゃいました。

高千穂郷では、しめ縄飾りをお正月に限らず、一年中飾るのが一般的
なのだそうです。縁起ものとして、古来から家々を見守ってきた伝統の
縄飾りづくりを見学させていただきました。


続いて、当店用に手掛けてくれた「しめ縄飾り」の作業を
レポートしたいと思います!
つづきは「こちら




2017-10-24

ブロールさんの白樺かごを編むワークショップ

本日24日は、スウェーデンの白樺細工職人 ブロールさんによる
白樺のかごづくりのワークショップを行いました。

午前中は「パンかご」、午後は「手提げ」を製作する2つのクラス
をご用意。

まずは、ブロールさんが住んでいるスウェーデン・ヨーテボリの街や
自然、地元の人々の暮らし方について、写真をスライドで見ながら
説明をしていただきました。


進行を手伝ってくださったのは、スウェーデン滞在期間中に
ブロールさんから白樺細工を学んだ河内山淳子さん。
終始、抜群のチームワークでした!

ブロールさんの大きな手。
英語を使ってゆっくり話してくれました。

午前の部で完成した「パンかご」。
参加者の方が仕上げたかごを、撮影させていただきました。


こちらは「手提げかご」。
隙間をあけずに編みつづけるには、絶えず指の力が必要ですが、
みなさんとてもきれいに仕上げていらっしゃいました!


ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!
ネーベルスロイド(白樺樹皮細工)の本場、スウェーデンのかごづくりを
直接学べる貴重な機会になったことと思います。

最後になりますが、前日に予定しておりましたワークショップは、
台風21号の影響により、中止の判断とさせていただきました。
参加予定だった皆様には、たいへんご迷惑をおかけいたしました。

「ブロールさんの白樺のかご 展」は、いよいよ29日(日)まで。
まだ多くの作品をご覧いただけますので、ぜひお立ち寄りください!

2017-10-17

「ブロールさんの白樺のかご展」は明日から!

スウェーデンより届いた、たくさんの白樺のかごが並びました!
「ブロールさんの白樺のかご 展」はいよいよ明日よりスタートします。


会期:10月18日(水)~29日(日)

時間:10:30~17:00 
   ※10月23日・24日は休み 




約40種類、100点以上の白樺製品が並ぶのは、当店でもはじめて。
すべて、ヨテーボリ在住の白樺細工の職人 Bror Forslund
(ブロール フォシュルンド)さんの手掛けた製品です。




おでかけの手提げかごから、テーブルを彩るトレイ、
大きな収納かごまで多数ご覧いただける貴重な機会です。





みなさまのご来店をお待ちしております!








2017-10-12

Brorさんの「白樺のかご展」いよいよ来週スタート!

スウェーデン・ヨテーボリ在住 Bror (ブロール)さんによる
「白樺のかご 展」はいよいよ来週水曜に開催となりました!

会期:10月18日(水)~29日(日)
   ※10月23日・24日は休み 
時間:10:30 ~ 17:00

ブロールさんの白樺のかごはシンプルながら、ちいさな工夫が
いろいろ施されていて、目でもたのしんでいただけるものばかり。

「その雰囲気をそのまま伝えられるような写真が撮影したい!」
と思い、いつもお店のディスプレイを手伝っていただいている
ディスプレイデザイナーのミスミノリコさんに相談に乗って
いただきました。


撮影場所は、ミスミさんご自宅の「room504」。

食卓やキッチン、リビングなど、かごの用途ごとのシーンを
スタイリングしていただき、無事撮影することができました。





撮影終了後は、なんとご主人でもあるフードユニットつむぎや」の
マツーラユタカさんが、お昼ごはんをつくってくれました(泣)

 大好物の山形・鶴岡直送だだちゃ豆もたくさん!
とても充実した一日となりました。


というわけで、ブロールさんのかごの魅力をたっぷりとご紹介する
2週間にしたいと思っています。

会期中は、70点を超える製品がどーんと並ぶ予定です。
みなさまのご来店を心よりお待ちしております!

いとう

2017-10-07

「きびがら工房」丸山早苗さんの販売&トークイベントが終了しました

107日(土) 7回目となる『かごイチ』を開催しました!

今回のゲスト出店者には、栃木県鹿沼市に伝わる『鹿沼箒』の職人
丸山早苗さんをお招きしました。



180年近く前からつくられているという鹿沼箒。
その丈夫さと美しさから「鹿沼箒は日本一」と言われるまでに
職人たちが技術を高め、思いをこめて現代まで作り続けてきました。


丸山さんの祖父でもある先代・青木行雄さんが昭和37年に考案した
「きびがら細工」は、箒の需要が低下する中、その技術を次世代に
残していけるように、との思いがこめられています。
丸山さんもその思いを受け継ぎ、技術と伝統を継承されてきました。


古くから受け継がれてきた鹿沼箒ですが、素材となる材料の確保や
後継者問題など、かごづくりと共通する課題を抱えているそうです。

丸山さんは、『代々受け継いだ土地をきれいな状態で次の代に
残していきたい』という思いから、地元の農家さんとともに、
無農薬・無化学肥料でのほうき草の栽培にも取り組んでいらっしゃいます。

6年前にほうき草の栽培を始めてから、最近になってやっと安定した
採取が
できるようになってきたということです。

今回、わたしも直接お話を伺うことができ、鹿沼箒やきびがら細工が
生み出される豊かな土地がこれからの世代にも受け継がれてゆくよう、
わたしたちも
作り手の思いを伝え続けていきたいと思いました。

大川


2017-10-01

10/23(月)・ /24(火) 『白樺のかご展』ワークショップ開催( 台風の影響のため、23日は開催中止となります)

10月22日追記:
たいへん申し訳ございませんが、10月23日(月)の開催当日は台風21号の
接近による非常な悪天候となることが予想されるため、ワークショップは
午前の部・午後の部ともに中止の判断とさせていただくこととなりました。

楽しみにしていらっしゃったお客様には、たいへんご迷惑をおかけ
いたしますこと、深くお詫び申し上げます。

何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

カゴアミドリ 伊藤
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Brorさんによる「白樺のかご 展」開催にともない、
10月23日・24日の二日間は、ワークショップを開催いたします!




このたび制作するのは、
パンかご(23日 月) と 手提げかご(24日 火)の二種類。

講師は、Brorさんご本人と、今回の企画をコーディネイトしていただいている
河内山淳子さん のおふたり。
ワークショップに加えて、白樺樹皮を加工するデモンストレーションや、
スウェーデンでのかごづくりにまつわるお話もしていただける予定です。


(ワークショップはすべて満席となり、予約受付を終了いたしました。
多数のお申し込みをいただき ありがとうございました。)

◆10/23(月)「パンかご」の制作 + トーク
   A)午前:10:00~12:00 (中止となります)
   B)午後:13:30~15:30 (中止となります)
 
サイズ:底部 縦横12㎝ 高さ6㎝
参加費:5500円(税込・材料費込)
定員 :各回14名
持ち物:カッター、ハサミ、エプロン、持ち帰り用の袋
※当日の進行状況により、時間延長の可能性がございます。
あらかじめご了承の上、お申し込みをお願いいたします。

10/24(火)「手付きかご」の制作 + トーク
  C)12:30~17:00(約4時間半)(受付終了しました)

サイズ:底部 縦横 15㎝ 高さ7.5㎝(ハンドルまで22㎝)
参加費:10,500円(税込・材料費込。お茶菓子つき)
定員 :各回14名
持ち物:カッター、ハサミ、エプロン、持ち帰り用の袋
※当日の進行状況により、時間延長の可能性がございます。
 あらかじめご了承の上、お申し込みをお願いいたします。


【講師プロフィール】

Bror Forslund(ブロール フォシュルンド)さん
1947年生まれ。スウェーデン・ヨーテボリ在住。
40年ほど前、娘さんと散歩していた時に1本の白樺の木を見て
「この木のネーベル(白樺樹皮)でいろんなものが作れるんだよ」
と話したところ「パパは何が作れるの?」と聞かれ、本屋さんで
見つけた本を見ながら、娘さんと一緒にテーブルマットを作ったことが
きっかけで、白樺細工職人の道へ。現在は、作品の制作だけではなく、
学校で子供達に白樺細工や木工を教えたりもしています。
はじめて日本に来たのは2013年。その後は毎年来日し、作品の展示や
ワークショップの開催を行う。大好きな日本食は、梅干しと塩昆布。

河内山 淳子 さん
白樺工芸家。2004年より2009年まで、スウェーデン・ヨーテボリ在住。
Bror Forslund氏に師事し、ネーベルスロイド(白樺樹皮工芸)を学ぶ。
帰国後はNäverslöjd Brorを主宰し、東京、大阪、名古屋などにて
ネーベルスロイドのレッスンを行う。


みなさまのご参加をお待ちしております!